パラグライダーとは

BAGIRA パラグライディングは、スカイダイビングに使うエアフォイル型パラシュートを使って山の斜面から飛び出したことが、その起源であるといわれています。スカイダイビングのパラシュートは滑空比が小さいので、かなりの急斜面でなければ離陸することが難しく、また山を離れて遠くまで飛ぶこともできませんでした。パラグライダーは初期の段階ではスカイダイビング用のパラシュートを手本にしていましたが、その目的の違いから独自の発達を始めます。より長く・より高く・より遠くへ飛びたい、パラグライダーはグライダー(ピュアグライダー)やハンググライダーが辿ったのと同じ、滑空機としての発達を続けます。初期の段階で3から4であった滑空比は、現在10に届こうかというレベルまで向上しました。飛行距離記録も日本国内で100Km以上、世界記録は300Km以上の飛行が行われています。

 パラグライダーの翼はナイロンやポリエステルなどの化学繊維に、空気を通さない加工を施した生地が使われています。翼自体は布を縫い合わせたものですから、空気が入って初めて翼として機能します。このことが他の翼を持つ航空機と大きく異なる点です。翼と人間をつなぐのがサスペンションラインです。単にラインと呼ぶこともあります。ラインは非常に強いアラミド繊維やダイニーマと呼ばれる素材を使用します。1本の強度が100Kgを越えるものを150本以上使用します。座席に相当する装備をハーネスと呼びます。ハーネスも初期はスカイダイビング用の立ち上がった姿勢のものでしたが、長時間のフライトが当たり前となり、快適な飛行のために椅子に座る姿勢に換わっていきました。現在は座り心地が良くなり、長時間のフライトも快適になりました。

ハンググライダーとは

ハンググライダー ハンググライダーはアメリカの宇宙開発で、宇宙船が地球に帰還する際に用いる着陸装置として考え出されたものです。残念ながら実際には用いられませんでしたが、このアイディアを手軽に空を飛ぶ装置として発展させた人たちがいました。これがハンググライダーの原型です。

 現在のハンググライダーは高度な発達を遂げ、滑空比15以上、最高速度100Km/h以上で、しかも人間の足で離着陸が可能な翼です。ハンググライダーは大きく分けて骨格(フレーム)と翼(セール)で構成されます。フレームはアルミ合金やカーボンファイバーなどを組み合わせて、軽量で高い強度を持つように造られています。セールは化学繊維で、やはり軽量で高い強度と耐久性があります。重量は25〜35Kg程度です。人間を載せる部分はハーネスと呼びます。空気抵抗を小さくするため、一般にうつ伏せに寝た姿勢で飛行します。主に初心者の練習用として、パラグライダーのような椅子に座った姿勢になるハーネスを使用することもあります。

モーターパラグライダーとは

 動力を使用するパラグライディングです。
MPG:Mortorized ParaGliding。 小型ガソリンエンジンを搭載したモーターユニットを背負い、平地から離陸して飛行することができます。モーターユニットの重量は一般に20〜30kg程度です。推力の大きいユニットは重量も重くなる傾向がありますが、より軽量で高い推力を出せるユニットが開発されつつあります。
 従来は200ccクラスのエンジンを搭載したユニットが多く使われてきました。最近は100ccクラスのエンジンを搭載したものが主流です。十分な推力があり、軽量で振動・騒音が小さく、燃費も良くなっています。
 翼(キャノピー)は動力を使用しないパラグライダーと基本構造は同じですが、動力飛行に適した専用のパラグライダーを使用するのが一般的です。
 モーターユニットを使わないで山から飛ぶパラグライディングに比べると、1日あたりの飛行時間が多く取れ、より速く上達できます。

モーターハンググライダーとは

モーターハンググライダー 

 動力を使用するハンググライディングです。
小型ガソリンエンジンを搭載したハーネス(モーターハーネス)を、ハンググライダーと組み合わせることで、平地から離陸して飛行することができます。モーターハーネスの重量は25kg程度ありますが、離着陸時はエンジン部分の重量をスキット(そり)で支えるので、パイロットへの負担は一般のハンググライダーと変わりません。翼は一般のハンググライダーを使用しますが、改造が必要な場合もあります。



 

 

 

トーイングとは

モーターハンググライダー

 

 ロープを使用して平地でグライダーを上空に引き上げる方式を、「トーイング」と呼びます。グライダー(ピュアグライダー)やハンググライダーでは、航空機で引っ張る方式(エアロトーイング)も多く行われていますが、パラグライダーではウインチ(巻き上げ機)や自動車で引っ張る方式(サーフェイストーイング)で行います。
 日本には離陸に適した山が多くあるので、パラグライダー・ハンググライダーのトーイングフライトは、ほとんど行われていません。しかし世界的には山のない地域も多く、そのようなところではトーイングによってのみフライトが可能です。またグライダー(ピュアグライダー)は山の上から離陸することは現実的ではないので、全てトーイングによって飛行しています。
 エンジェル・ジップは独自に開発したウインチを使用して、本格的なトーイングフライトを行っています。このウインチは250ccのガソリンエンジンを搭載し、パラグライダーおよびハンググライダーのタンデム機のトーイングも可能です。ロープまたはワイヤーを1500m以上巻き取ることができるので、500m以上の高さに引き上げることができます。


 

簡単に飛べますか?

 パラグライダーの操縦はとても簡単です。操縦用のハンドルが左右各1個あり、これをそれぞれの手に握ります。進路を変えるときは、行きたい方向のハンドルを引きます。引き続けると急旋回してしまうので、適当に曲がったところでハンドルを戻します。両方同時に引くと減速します。直感的にも分かりやすいので、風の穏やかな日であれば、全く初めてでも、ほとんどの方が初日に単独飛行ができます。もちろん飛行時間や距離はごくわずかです。

 ハンググライダーは飛行速度が速く、操縦方法も判りにくいので、飛べるようになるには時間が掛かります。

 パラグライディングがそんなに簡単なものならば、教わらなくても道具さえ買えば飛べるようになるのでしょうか。
答えは
「否」です。理由を挙げたらきりがありませんが、主に次の理由によります。
(1)気象変化、特に風速/風向の変化に弱いため、風の流れに対する深い理解が必要です。空気は目に見えず、また直感的には理解しにくいために、知識と経験を身に着けるために専門のインストラクターに習う必要があります。
(2)飛行する限り、常に墜落するという危険が伴います。万一起こると本人は重大な損傷を被り、また周囲にも多大な被害を及ぼします。万一にも起こしてはならないことです。自己流で行うと、かなり大きな確率で事故を起こします。これはパラグライディングやハンググライディングの初期段階で現実に起こったことです。現在多くの方が安全にフライトできるのも、先人達が試行錯誤の上で確立した飛行技術や知識があるからです。いまさら危険に身をさらして試行錯誤をする必要はありません。

 パラグライダーの操縦は簡単です。しかし安全に飛び続けるためには正しい技術と知識が必要です。パラグライディングは資格のあるインストラクターから教わりましょう。また機材はアフターサービスを提供できる、専門のスクール・ショップから購入しましょう。

 

空を飛ぶのは危険ですか ?

 どんなスポーツでも幾ばくかの危険は伴います。水泳をすれば溺れる危険があり、自転車に乗れば転倒する危険があり、スキーをすれば雪崩に遭う危険があります。ゴルフをしていて雷に打たれる事故が報道されることもあります。100%の安全は、あり得ません。全ては程度の問題で、その危険性を受け入れることができるかどうかです。知識や技術の無い方が自己流で飛ぶことは非常に危険です。絶対に止めるべきです。しかしインストラクターの指導の下に行えば、その危険性は多くの方に許容範囲内であると思います。
 客観的な尺度として、保険(例えば海外旅行傷害保険)の扱いが参考になります。危険性の高いスポーツをカバーするためには割増金が必要です。一般にスカイダイビングや本格的な登山、ハンググライディングは割増金が必要なスポーツに分類されています。しかしパラグライディングは割増金は不要です。このことからも社会的に比較的安全なスポーツとして認められていると言えます。

 危険を伴うスポーツであることは否定しません。しかし正しく行えば許容範囲内であると思います。


エンジェル・ジップ
(株)ラ・ムエッティ